COVID-19パンデミックを機会に、これからの歯科医療のあり方が変わります

スタッフブログ

安心安全な歯科医療を目指して

 歯科だからこそできる貢献

現在、新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を振るい、パンデミック宣言に始まり、緊急事態宣言が出るような事態となっております。そんな中でも、政府・行政・官僚は人命が優先なのか経済が優先なのかも定まらず迷走している状態、メディアは無責任に国民の恐怖を煽り、また飲食店・ライブハウスなどのクラスター発生場所へのピンポイントな報道にある様に、あたかも悪いのがその業種であるかのような伝えかたをしていることに疑問を感じております。

日本では歯科医院において患者さんに感染が起こるかのような報道であったり、メインテナンスや口腔ケアを不要不急と切り捨て、歯科医療からこのような事態への適切なアプローチの方法が正しく報道されていないのではないかと思っています。

 感染拡大が先行している欧米で、感染拡大の原因となる業種を行政が特定して、陥れることなど聞いたことはありません。業種によるリスクを示しても、行政の首長の器量の大きさが国民感情をコントロールしているのです。ドイツのメルケル首相のコロナ対策の演説を聞いた方も多いでしょう。その中でメルケル首相は、感染拡大の中でも働き続ける医師や介護従事者、普段あまり感謝されることの少ないスーパーのレジ打ちの労働者への感謝と、そういう人たちがいてこそ市民生活が成り立っていると述べ、国民に感染防止へ団結を呼びかけていました。

また、台湾でも、李登輝総統の優れたリーダーシップによって感染者数を諸外国と比べかなり低く押さえつけています

日本はどうでしょうか。行政は現場に適切な指示を出さず、ただ世情の不安を煽り、前述した特定の業種を感染拡大の犯人にする様は、国民の一致団結には程遠い感があります。それはマスメディアにも同様です。こんな世情の中、歯科医院は自院のコロナ感染対策を明らかにすることを何よりも優先するべきだと感じました。当院ではその取り組みが評価され、関西テレビ、毎日放送、朝日新聞の取材を受けることができました。これらを引き受けた理由といたしましては、当医院を受診して下さる方へ安心していただきたいという思いと、全国にも感染予防対策をし、患者さんを受け入れられる体制を整えている医院が多くあることを知っていただきたいという思いの元です。人が生活する上で密接に関わり、切っては切り離せない歯科医療を継続できなくなると困るのは、患者さん、国民の皆さんではないでしょうか。我々は常に地域歯科医療を継続し、常に地域貢献が出来るように努力をしてきました。人は知らないから不安になり、歯科医院に対しても不信感を抱きます。こんな時に一時的な批評を恐れて、歯科医院の内実を明らかにしないととが対策の不備であり、今回医院の体制を社会に明らかにしたいと思い今回のNEWSレターを執筆致しました。

 近年、口腔の健康が全身疾患と関係していることが明らかになっております。特に歯周病は糖尿病を代表とするメタボリックシンドローム、心血管系疾患、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産、関節炎などに影響を及ぼします。歯周病に対するリスクは個々に違い、1ヶ月でフォローが必要な方、2~3ヶ月のフォローで大丈夫な方もいらっしゃいます。口腔健康を守ることで全身疾患というリスクを下げ、COVID-19をはじめとする病原体への感染リスクを減らすことこそ歯科の使命なのではないでしょうか?口腔メインテナンスを行うことで、細菌性肺炎のリスクを低下させることができます。これが、ウイルス性肺炎(コロナウイルスによる肺炎)の重症化予防に繋がることもわかっています。そのためにも、まず医療従事者が病原体の感染源とならないことが優先であると考え、世界のいろんな報告を元に、推奨される感染対策を導入致しました。

 当院では、以前より世界基準の感染対策体制で対応してきました。各部屋で簡潔する診療備品配置、清潔ゾーン・不潔ゾーンの徹底、治療部・口腔衛生部のゾーン区分け、可及的ディスポーザブル製品の導入、ウォッシャーディスインフェクター、クラスBオートクレーブ等です。

 今回、COVID-19感染のパンデミックによって、常時から未知なる病原体の感染リスクがあることを想定し歯科医療における感染対策の見直しをする良い機会と捉えています。さらなる感染対策のグレードアップを図るため、下記に列挙する項目を追加で対策致します。

 医療物資は最前線の医療現場が優先なのはもちろんですが、医療物資が底を尽きるまで歯科医療従事者が感染源となるリスクを最小限にすることを前提に、歯科医療だからこそできるこのパンデミック下における地域への貢献をしたいと考えております。

新たな追加感染対策
4月後半から順次実施 

  1.  受付での体調管理問診と検温(非接触型)
  2. 手指接触がある部分を定期的に院内徹底消毒
  3.  歯科医師・歯科衛生士の推奨されている感染予防装備 
    N95マスク+サージカルマスク常時装着
  4. エアロゾルが出る処置時のサージカルガウン装着
    :歯科医師の切削処置・外科処置
    :歯科衛生士による超音波装置による歯周病治療およびメインテナンス
  5.  歯科医師治療時に口腔外バキュームの常時使用
  6.  常時換気または診療毎の換気:患者さん同士の交叉感染のリスクは最小限ですが、エアロゾルを停滞させないために換気致します。

このような状況だからこそ、一人一人が知恵を絞り協力し合うことが大切だと考えます。日々、不安な中ストレスを抱え、生活をされている皆さんのお心をお察しします。

明けない夜はないと私は信じています。

院内・スタッフの感染対策 
〈  全員が実施する  〉

  1. 意識改革:歯科医療は常に感染のリスクがあります。コロナウイルスに感染することが悪いことでは決してありません。しかし、感染予防をしなければ、患者さん施設の方、一緒に働いているスタッフへの影響がどのようになるかを考える必要があります。医療を望まれている方への期待、またスタッフ一人一人の生活のためにも、この時期だからこそ皆で知恵を絞り、協力し合う必要があるのではないでしょうか。まずは自分が働いている医療機関を守る意識を持ちましょう。当然、休みの日の不要不急の外出はしないでください。スタンダードプリコーション、常に自分は感染しているであろう意識で行動してください。
  2. 体調管理:毎朝、朝礼時には検温を行い、体調の確認を行います。また、家族の方で体調が悪い方がいる場合は申告してください。無理に出勤する必要はありません。
  3. 領域の区別:治療時のエアロゾルや唾液、血液なども当然感染源になります。診療している場所や、白衣を着ている人は不潔域とし、スタッフルームや事務所などを清潔域とし、白衣の取り扱いも注意する。更衣室を決める。さらなる防護のために、資材の確保ができればガウンとキャップの着用をする。
  4. 出勤、退勤、昼食:極力、電車が混まない時間帯にスタッフが移動できるように 出勤と退勤時間の調整を行う。昼食時も一斉に取るのではなく、順次休憩に入り、時間帯や場所が被らないようにする。飲食時は感染防護のため、必ず私服に着替える。対面での食事は控える。特に飲食時の会話による感染リスクがとても高いと言われています。

関連記事

月別アーカイブ